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「強く豊かに」から半年余り——支持率、円安、そしてICC制裁で問われている高市政権の「言動不一致」

Written for learners with AI assistance, based on reporting by 東洋経済オンライン(2026年8月21日・安積明子) · original source ↗
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Open in the reader「国民の生命と財産を守ること、そして日本列島を強く豊かにすること」。昨年10月の自民党総裁選挙で、高市早苗氏は党員に向けてX(旧ツイッター)にこう投稿し、大事な1票を自分に託してほしいと呼びかけた。
このうち「日本列島を、強く豊かに。」という言葉は、今年2月の衆院選で自民党の選挙ポスターのキャッチコピーに使われた。赤の背景でほほ笑む姿と、白の背景でにこやかに手を差し伸べる姿。二種類のポスターは高市首相の印象をさらに強くし、自民党の大勝利に役立ったとされる。あれから半年余りを経た今、日本は本当に強く豊かになったのだろうか。
景況感は石破政権末期の水準に逆戻り
日本銀行が年に4回実施している「生活意識に関するアンケート調査」によると、2026年6月の景況感は「前年から悪くなった」と答えた人が62.5%にのぼった。これは石破政権末期にあたる2025年9月の調査と同じ数字である。さらに「1年後には今より悪くなる」は49.9%で、同年9月の45.7%を上回った。
日本の国富を下げる過度の円安進行は、単独介入だけでは阻止できず、7月にアメリカとの協調介入を行ってようやく食い止められた。そのおかげで、高市首相が「悲願」としてきた2年間限定の食料品の消費税減税は8月5日に閣議決定された。しかし長期金利の上昇を止めることはできず、財政上の不安は残ったままだ。
それでも高い支持率さえ維持できれば政権は安泰、というのが政治の常識である。7月には各社の世論調査で内閣支持率が一斉に下落したが、国会閉会中の8月は支持率を再浮上させるチャンスでもあった。
「やった感」を演出する動画
8月3日、高市首相は熊本地震の被災地を視察した。この視察には“撮影班”が同伴し、後に動画が作成された。木原稔官房長官は「視察の様子を国民にわかりやすく伝えるため」と説明したが、BGMまでつけて作り込まれた動画は、首相の「やった感」を盛り上げるためのものだったと記事は指摘する。
自衛隊のヘリコプターから、爆発事故で壊れたイオンモール熊本の建物に祈りを捧げる場面。「至れり尽くせり」の支援に感謝の意を示す被災者との面会。これらはいずれも、「国民の生命と財産を守る高市首相」という“ドラマ”の一場面だったのかもしれない、というのが記事の見方だ。
ところが、そのドラマは思わぬ形で途中で止まることになる。8月18日、アメリカのトランプ政権が国際刑事裁判所(ICC)の赤根智子所長とアブドゥライ・セイ上級法廷弁護士を制裁対象に指定したからだ。日本人が所長を務める国際機関への制裁に対して、「国民の生命を守る」と掲げてきた首相がどう向き合うのか。記事の題名にある「言動不一致」「弱腰外交」という言葉は、この問いに向けられている。
Words in this article
| Word | Reading | Meaning | JLPT |
|---|---|---|---|
| 本当に | ほんとうに | really; truly | |
| に関する | にかんする | about; concerning | |
| 行って | おこなって | carrying out (from 行う) | |
| 後に | のちに | later; afterwards | |
| 形 | かたち | form; way | N4 |
| 問い | とい | question | N3 |
| 前 | まえ | in front of | N5 |
| に対し | にたいし | in response to; against | |
| 国 | くに | country | N5 |
| 中 | なか | amid; while | N5 |
| 2年間 | にねんかん | 2 years | |
| 国民 | こくみん | the people; citizens | N3 |
| 生命 | せいめい | life | N3 |
| 財産 | ざいさん | property; assets | N3 |
| 守る | まもる | to protect | N3 |
| 日本列島 | にほんれっとう | Japanese archipelago | |
| 強く | つよく | strongly | |
| 豊か | ゆたか | rich; abundant | N3 |
| 大事 | だいじ | important | N4 |
| 票 | ひょう | vote | N1 |
| 高市早苗 | たかいちさなえ | Takaichi Sanae (name) | |
| 託して | たくして | entrusting | |
| 昨年 | さくねん | last year | |
| 自民党 | じみんとう | Liberal Democratic Party | |
| 総裁選挙 | そうさいせんきょ | party leadership election | |
| 党員 | とういん | party member | |
| 旧 | きゅう | former | N3 |
| 今年 | ことし | this year | N5 |
| 衆院選 | しゅういんせん | lower house election | |
| 選挙 | せんきょ | election | N1 |
| 赤 | あか | red | N5 |
| 背景 | はいけい | background | N1 |
| 白 | しろ | white | N5 |
| 手 | て | hand | N5 |
| 差し伸べる | さしのべる | to extend (a hand) | |
| 首相 | しゅしょう | Prime Minister | N3 |
| 姿 | すがた | figure; appearance | N3 |
| 大勝利 | だいしょうり | overwhelming victory | |
| 役立った | やくだった | helped; was useful | |
| 半年 | はんとし | half a year | |
| 余り | あまり | more than | N5 |
| 経た | へた | passed (time) | |
| 支持率 | しじりつ | approval rating | |
| 日本銀行 | にほんぎんこう | Bank of Japan | |
| 回 | かい | times (counter) | N3 |
| 生活意識 | せいかついしき | life consciousness/attitudes | |
| 関する | かんする | related to | N3 |
| 調査 | ちょうさ | survey | N3 |
| 景況感 | けいきょうかん | business sentiment | |
| 前年 | ぜんねん | previous year | |
| 悪くなった | わるくなった | got worse | |
| 石破政権 | いしばせいけん | Ishiba administration | |
| 末期 | まっき | final stage | N1 |
| 数字 | すうじ | figure; number | N3 |
| 今 | いま | now | N5 |
| 悪くなる | わるくなる | will get worse | |
| 同年 | どうねん | the same year | |
| 国富 | こくふ | national wealth | |
| 下げる | さげる | to lower | N4 |
| 過度 | かど | excessive | |
| 円安 | えんやす | yen depreciation | |
| 進行 | しんこう | progression | N1 |
| 単独 | たんどく | unilateral | N1 |
| 介入 | かいにゅう | intervention | N1 |
| 阻止 | そし | blocking; prevention | N1 |
| アメリカ | the United States | ||
| 協調 | きょうちょう | cooperation | N1 |
| 食い止められた | くいとめられた | was stopped | |
| 高市首相 | たかいちしゅしょう | PM Takaichi | |
| 悲願 | ひがん | long-cherished wish | |
| 年間 | ねんかん | period of years | N3 |
| 限定 | げんてい | limitation | N1 |
| 食料品 | しょくりょうひん | foodstuffs | N4 |
| 消費税 | しょうひぜい | consumption tax | |
| 減税 | げんぜい | tax cut | |
| 閣議決定 | かくぎけってい | cabinet decision | |
| 長期金利 | ちょうききんり | long-term interest rate | |
| 上昇 | じょうしょう | rise | N1 |
| 止める | とめる | to stop | N4 |
| 財政上 | ざいせいじょう | fiscally | |
| 不安 | ふあん | anxiety | N3 |
| 維持 | いじ | maintenance | N3 |
| 政権 | せいけん | administration | N1 |
| 安泰 | あんたい | stable; secure | |
| 各社 | かくしゃ | each company | |
| 世論調査 | よろんちょうさ | public opinion poll | |
| 一斉に | いっせいに | all at once | |
| 内閣支持率 | ないかくしじりつ | cabinet approval rating | |
| 下落 | げらく | decline | |
| 国会 | こっかい | the Diet | N3 |
| 閉会中 | へいかいちゅう | while in recess | |
| 再浮上 | さいふじょう | resurfacing | |
| 熊本地震 | くまもとじしん | Kumamoto Earthquake | |
| 被災地 | ひさいち | disaster-stricken area | |
| 視察 | しさつ | inspection tour | N1 |
| 撮影班 | さつえいはん | film crew | |
| 動画 | どうが | video | |
| 木原稔 | きはらみのる | Kihara Minoru (name) | |
| 官房長官 | かんぼうちょうかん | Chief Cabinet Secretary | |
| 説明 | せつめい | explanation | N4 |
| 様子 | ようす | state; appearance | N3 |
| 伝える | つたえる | to convey | N4 |
| 作り込まれた | つくりこまれた | elaborately made | |
| やった感 | やったかん | sense of accomplishment | |
| 盛り上げる | もりあげる | to liven up | |
| 自衛隊 | じえいたい | Self-Defense Forces | |
| 爆発事故 | ばくはつじこ | explosion accident | |
| 壊れた | こわれた | was destroyed | |
| イオンモール熊本 | イオンモールくまもと | Aeon Mall Kumamoto | |
| 建物 | たてもの | building | N5 |
| 祈り | いのり | prayer | N1 |
| 至れり尽くせり | いたれりつくせり | every consideration given (idiom) | |
| 感謝 | かんしゃ | gratitude | N3 |
| 意 | い | sentiment; intention | |
| 被災者 | ひさいしゃ | disaster victim | |
| 面会 | めんかい | meeting | N1 |
| 一場面 | いちばめん | one scene | |
| トランプ政権 | トランプせいけん | Trump administration | |
| 国際刑事裁判所 | こくさいけいじさいばんしょ | International Criminal Court | |
| 赤根智子 | あかねともこ | Akane Tomoko (name) | |
| 所長 | しょちょう | director; head | |
| アブドゥライ・セイ | Abdoulaye Sey (name) | ||
| 上級法廷弁護士 | じょうきゅうほうていべんごし | senior trial counsel | |
| 制裁対象 | せいさいたいしょう | sanctions target | |
| 指定した | していした | designated | |
| トランプ | Trump (name) | N3 | |
| 制裁 | せいさい | sanctions | N1 |
| 言動不一致 | げんどうふいっち | inconsistency between words and actions | |
| 弱腰外交 | よわごしがいこう | weak-kneed diplomacy |
Questions
Answer in Japanese, then check yourself. The reader saves your answers and keeps score.
- 高市首相の「日本列島を強く豊かに」というスローガンは、選挙でどのような役割を果たしましたか。
Show answer
2月の衆院選で自民党のポスターのキャッチコピーに使われ、高市首相の印象を強くして、自民党の大勝利に役立ったとされています。
It was the slogan on LDP posters in the February election, strengthened Takaichi's image, and is said to have helped the LDP's big win.
- 2026年6月の日銀の調査で分かった、景気に対する国民の意識はどのようなものでしたか。具体的な数字も含めて説明してください。
Show answer
「前年から悪くなった」と答えた人が62.5%で、石破政権末期の2025年9月と同じでした。「1年後には今より悪くなる」は49.9%で、2025年9月の45.7%を上回りました。
62.5% said things were worse than a year earlier, the same as in September 2025 under Ishiba. 49.9% expected things to be worse in a year, up from 45.7%.
- 食料品の消費税減税はどのように実現しましたか。円安とどう関係していますか。
Show answer
過度の円安は単独介入では止められず、7月にアメリカとの協調介入でようやく食い止められました。そのおかげで、8月5日に2年間限定の食料品の消費税減税が閣議決定されました。
The yen's slide could not be stopped by Japan alone; a joint intervention with the US in July finally halted it. Thanks to that, the two-year cut in consumption tax on food was approved by the cabinet on August 5.
- 高市首相はなぜ8月に支持率を回復させるチャンスがあると考えられていましたか。
Show answer
7月に支持率が一斉に下落しましたが、8月は国会閉会中で、支持率を再浮上させるチャンスだったからです。
Approval ratings fell across polls in July, and August, with the Diet in recess, was a chance to win them back.
- 熊本地震の視察に「撮影班」を同伴させたことについて、記事はどのような見方をしていますか。
Show answer
BGMまでつけて作り込まれた動画は、首相の「やった感」を盛り上げるためのものだったと指摘しています。
It says the carefully produced video, even with background music, was made to play up the prime minister's sense of having done something.
- 被災地での首相の行動を、記事は何にたとえていますか。どのような場面が挙げられていますか。
Show answer
「国民の生命と財産を守る高市首相」という“ドラマ”の一場面にたとえています。ヘリコプターから、壊れたイオンモール熊本の建物に祈りを捧げる場面や、被災者との面会が挙げられています。
To scenes from a "drama" about a prime minister who protects people's lives and property: praying from a helicopter toward the damaged Aeon Mall Kumamoto, and meeting grateful survivors.
- 最後の段落で、「ドラマ」が途中で止まることになった出来事は何ですか。記事の題名の言葉と結びつけて説明してください。
Show answer
8月18日に、アメリカのトランプ政権がICCの赤根智子所長らを制裁対象に指定したことです。「国民の生命を守る」と掲げてきた首相がこれにどう向き合うのかという問いが、題名の「言動不一致」「弱腰外交」という言葉につながっています。
On August 18 the Trump administration sanctioned ICC President Tomoko Akane and others. How a prime minister who promised to protect citizens responds to that is the question behind the title's "words and deeds don't match" and "weak diplomacy."
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